フリーター・春生が繁華街で交通量調査をしている。「千人目は俺の嫁…」その時、春生の目の前を若い女が通り過ぎ、手元のカウンターが千を打った。
        ５年後。仕事を終え、ぼろアパートに帰った春生に微笑む、壁一面に貼られた女の写真。かつて繁華街で見た女・真琴だ。双眼鏡で向かいの家を覗くと、幸せそうに食事をする真琴と夫・幹也。あの日から５年間、粛々とストーキング行為を続け、今では彼女の行動記録ノートも10冊を超えていた。双眼鏡で夫婦の営みを覗きながら「彼女達の結婚は間違いで、本当の相手は自分なのだ。いつか神様が運命を変えてくれるだろう」と思い、売春婦・ミチコを家に呼ぶのだった。
        そんなある日、バイト中の春生は幹也とOL・麻衣の浮気現場を目撃する。夫に騙されている真琴を救うのは自分しかいないと、今までの培ったストーキングテクニックを駆使し、ふたりの浮気に関する証拠収集を始めた。そうして集めた写真を、幹也が会社へ出かけた隙を見計らい、ポストに投入。しかし、真琴は顔色も変えず写真を引き裂き、変わらない夫婦生活を続ける。
        理解に苦しむ春生は飲んだくれ、ミチコとセックスしそのまま眠った、目を覚ますと、なぜか目の前に真琴が微笑んでいた。実は彼女は夫の浮気も春生の存在も知っていた…。